イベントレポート

今だけ、ここだけ。夢のように現れた、インスタレーション「紙のまち」。

高田ともみ

2019.12.06

Writing: 高田ともみ


ぴかぴかのエントランスをくぐると、目に飛び込んできた見たこともない不思議な世界。

しこちゅ〜ホール(四国中央市)を飾った、ひびのこづえさんによるインスタレーション「紙のまち」は、想像以上に夢の空間でした。

ひびのこづえワールドへようこそ!四国中央市だからこそ生まれた、夢の世界


わ〜。思わず声をあげてしまいました。大きくて、広くて、どこまでも軽い。どこにもないのに、どこか懐かしい。ひびのこづえワールドに、あっという間に吸い込まれていくのを感じます。

広告や舞台、映像などで幅広く活躍するコスチューム・アーティストひびのこづえさんが手がけたインスタレーション。NHK Eテレ『にほんごであそぼ』でもおなじみの、彼女の作品がこんな近くで見られるなんて。えひめさんさん物語、ありがとう。


ふわふわ、もこもこと語りかけてくる、モノクロのサーカスの世界。

目を見張るのは、やはり、ひびのさんが四国中央市にインスピレーションを得て描きおろしたという、巨大な背景イラストです。細かく描きこまれたサーカスの世界が、いきいきと迫ってくる!
四国中央市にインスピレーションを得て製作したというのは、地元っ子にとってもうれしいですよね。


そもそも、“絵(紙)でエントランスを包む”という発想で製作されたこの作品。これだけ大きな作品なのに、空間に溶け込んでいて、全然圧迫感がないのも印象的でした。

クラゲを覆うしなやかな紙(四国中央市ならでは!)の効果もあるのでしょう。


ときおり、雲やくらげが、エントランスから舞い込む風で生きているみたいに揺れていました。

産業と文化を融合する、
新しい文化拠点に生まれたアート


さて、今回の会場となったのは、四国中央市にある市民文化会館「しこちゅ〜ホール」。今年2019年8月に開館したばかりの、できたてほやほや、真新しすぎる市民のための文化拠点です。つまり、今、東予でも注目のスポット、というわけですね。



“産業と文化を融合させながら人を育む”との願いを込めて誕生した「しこちゅ〜ホールは、オープンから数カ月、すでに市民活動や有名アーティストの誘致などで積極活用されています。

その取り組みのひとつとして、今だけ、ここだけに、夢のように現れたインスタレーション「紙のまち」。

つかの間ではあったけれど、あの世界が、たくさんの人の心を包み込んだことは間違いありません。そう思うと、有限だからこそ持つ作品の力にもあらためて感じ入るのでした(ああ、また見たい。)


ところで、この数日後、同会場で行われた舞台「紙のサーカス」に参加してきました。
そのとき再び目にした「紙のまち」は、この日の印象とはまた違った奥行きとイメージを持って、そこにありました。


舞台を離れてもなお、ストーリーは膨らみ、つながり、広がっていく。二度も三度もおいしいアートってすごい。


最後に子どもと記念撮影しようとしたら、みんなクラゲになっていた(笑)。うん、でもわかるよ、その気持ち。

そんなわけで、クラゲになりたいと思うほど(?)、観客の心をゆさぶりまくった「紙のサーカス」の体験レポートも合わせてお読みください。

【今回の取材先】
紙の物語 インスタレーション「紙のまち」
日時:11月20日(水)〜24日(日)
場所:しこちゅ〜ホール エントランスホール
(四国中央市妻鳥町1830-1)