イベントレポート

スカイランナーが語る、登山の新しい魅力。

串部公基

2019.06.25

Writing: 串部公基


(©Sho FUJIMAKI)

えひめさんさん物語の中核をなす、6つのコアプログラム。
その中の一つが「山の物語」。石鎚山脈をフィールドに多種多様なメニューが用意されています。

11月17日には「四国中央スカイラン」が開催されます。
このプログラムは、頂上を目指して駆け登るスカイランニング。スカイランニングと石鎚山脈の魅力を、日本スカイランニング協会代表理事の松本大さんに聞きました。


(©Sho FUJIMAKI)
▲日本スカイランニング協会代表理事 松本大
1983年群馬県出身。日本の山岳アスリート。スカイランニングを専門としている。2006年からスカイランナーワールドシリーズ(SWS)のレースに参戦し、同年に日本人初の入賞を果たす。2008年にはトライアル・シリーズで日本人初の優勝。2012年からはアジア圏のランナーとして初めてSWSの年間ポイントランキングにエントリーしている。自己最高の世界ランクは2012年の14位。2015年2月に香港で初開催されたアジア選手権(SKYカテゴリ)で優勝し初代アジア王者になった。

Q)日本スカイランニング協会代表理事とは、普段、どういった活動をしているのでしょうか。
A)国内公式戦のお手伝いをしたり、日本代表の選手団長を務めたり、各支部の方々と打ち合わせをしたり。日本各地の大会主催者さんと連携してスカイランニング競技の普及活動も行っています。

Q)愛媛県との接点はどのようなきっかけですか。
A)実は貧乏旅行がマイブームだった大学時代にお遍路さんをしまして、途中、愛媛県も歩いたことがあります。山関係では、2014年に松山市内の登山用品店の方やお客さんと一緒に、皿ヶ峰に登ったのが始まりです。その後、石鎚山、東赤石山などに登りました。

Q)えひめさんさん物語の会場となる3市の山。松本さんから見た魅力はどういったところでしょうか。
A)山好きな人間にとっては西日本で最高のエリアであることは間違いありません。海抜0メートルの海辺から標高差2000メートル弱の峰に一気に登る斜面は全国的にみても珍しい地形です。
また、地質もユニークで、東赤石山のアスレチックのように楽しく登れる岩山は私が住む長野県にもありません。地元の方にもぜひ遊びに行ってほしいですね。

Q)夏山にはどのような楽しみがありますか。
A)標高1500メートルを超える夏山は、下界のジメジメとした暑さを忘れる気持ちよさがありますね。山に登った後の川での水浴びも楽しい。もちろん、落雷や毒虫の危険もありますので、楽しさと危険は同じコインの表と裏ですが……。

Q)山の初心者に、おすすめの山登りコースがあれば、教えてください。
A)四国は車でアプローチしやすいので、初心者向きの山が多いですね。西日本最高峰の石鎚山はロープウェイで途中まで登れるので日帰りのハイキング感覚で登れます。
初心者向きではないですが、愛媛の人も東赤石山にはぜひ登るべきです。あの岩肌の稜線(りょうせん)は日本で唯一といってもよい壮観さがあります。別子銅山の遺跡を学びながらの登山は実に趣深いです。

Q)11月開催の「四国中央スカイラン」。参加する以外の楽しみ方はあるのでしょうか。
A)ランナーとして参加するのは800メートルを駆け登る体力が必要ですが、応援するのはハイキング感覚でできます。塩塚峰の山頂付近まで車でアクセスできますので、歩いて15分で360度の景色の見える山頂に到着できます。そこでラストスパートを頑張るランナーの応援はとても楽しいと思いますし、ランナーの皆さんにとっても山頂がにぎやかだとうれしいですね。


(©Sho FUJIMAKI)

Q)たくさんのプログラムが組まれる「第4話 山の物語」。どんなことを期待していますか。
A)愛媛の山々は日本や世界(特にアジア)に誇れるものがあります。単なる自然だけでなく人々の文化と密接に関わってきた美しい山々です。ぜひ日本中・世界中の人に愛媛の山々の魅力を知ってもらって、訪れてほしい。そういう人が増えることで、地元の人も学校の校歌の歌詞にもなっている故郷の山々の価値に気付くと思います。「愛媛に生まれてよかった。住んでよかった」と思う方が増えることが最も大事なことだと思います。

Q)最後にメッセージをお願いします。
A)愛媛の山々は人間と自然の両方が手を加えて作り上げられたものです。守るところは守るべきですが、活用するところは活用することで、新しい時代の山の物語が紡ぎ出されていくことを願っています。頭でっかちにならず、まずは山のてっぺんまで自分の足で登ってみてください。きっとこの地域が好きになると思います。

松本さん、ありがとうございました。

【今回の取材先】
山の物語「四国中央スカイラン
日時:11月17日(日)
場所:霧の森および周辺エリア
お問い合わせ:クーランマラン TEL050-5536-8717