イベントレポート

煙突が、ある日突然しゃべりだす!?
「工場のおしばい」を仕掛ける光のアーティスト・髙橋匡太さんインタビュー

串部公基

2019.04.16

Writing: 串部公基


▲四国中央市編イメージ(©髙橋匡太)

コアプログラム第1話・ものづくり物語。
物語では、「工場のおしばい」という、工場の建物に「顔」をプロジェクションすることで展開する野外劇場があります。

演出するのは、光のアーティスト髙橋匡太さん。
3月発行のえひめさんさん物語公式ガイドブック春号で、インタビューをしました。
編集した内容(ダイジェスト版)はガイドブックへ、ここでは全文を掲載します。


▲髙橋匡太
1970年京都生まれ。1995年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻終了。光や映像によるパブリックプロジェクション、インスタレーション、パフォーマンス公演など幅広く国内外で活動を行っている。東京駅100周年記念ライトアップ、京都・二条城、十和田市現代美術館など、大規模な建築物のライティングプロジェクトは、ダイナミックで造形的な映像と光の作品を創り出す。多くの人とともに作る「夢のたねプロジェクト」、「ひかりの実」、「ひかりの花畑」、「Glow wwith City Project」など大規模な参加型アートプロジェウトも数多く手がけている。

 

Q)愛媛県では「道後オンセナート」に関わられていました。愛媛県の印象はいかがですか。

A)愛媛県には道後オンセートで初めて来ました。それまでの印象は、ミカン、小説「坊っちゃん」、正岡子規、温暖な気候、のんびりしているといった感じです。道後オンセートには初回から参加しています。イベントに関わる人全てが温かく、毎年会うのが楽しみです。作品についても毎回盛り上げてくださり、私にとっては同窓会のような、温かさが感じられる場所ですね。

Q)今回の会場である、3市(西条市・新居浜市・四国中央市)のことはご存じでしたか。

A)いいえ、知りませんでした。
松山に向かう列車で通り過ぎる街ではあり、いつも車窓からは眺めていて、「工場があるなー」という印象でしたね。この仕事のために実際に工場に入って、「こんな工場があるんだ!」というスケール感を感じました。車窓から見ていて知っているつもりの景色なのに、全然違う。新鮮な驚きがありました。

Q)「工場のおしばい」という、アート作品。そのアプローチに至った経緯を教えてください。

A)自分の作品の中に「建物のおしばい」シリーズがあります。
建物が人格をもっていてしゃべりだす、見なれた風景が語りだす、そういう空間は面白いよね、と始めたものです。横浜の雑居ビルなどから始めました。無機質だと思われているモノが、実は人格をもっていて語りだすと、見慣れた風景も見方が変わると思います。

今回はプロデューサーさんから、工場でできないかと提案がありました。会場となる工場は、煙突やクレーンといった機能的なパーツで構成されています。分かりやすい特徴や明確な機能・役割があるので、それぞれのキャラクターが際立つんじゃないかと思うんです。言葉をもたない煙突がしゃべりだすと面白いよね、と構想をふくらませています。


▲西条市編イメージ(©髙橋匡太)

Q)今回の作品のために、新しく挑戦した技術はありますか。

A)自分が関わった作品の中では、最も大きな、スケール感のあるものです。経験した中での最大の作品は「東京駅100周年記念ライトアップ」。今回は比較にならない程、大きなものです。このようなスケールに挑戦したことはないのでドキドキしています。

ただ、投影したときにプロジェクションがどう見えるか、撮影チームは現在テストを繰り返しています。これだけの規模を投影するに機材はなかなかないので…多分ですが、東京オリンピックにつかう機材を持ってきます。つまり、日本にある最高の機材を使っての作品になります。

Q)地元を含め、県内からたくさんの人が来られると思います。誰をターゲットに考えたのでしょうか。
A)まずは、工場に勤めている人です。お父さんが働いているなら、その家族の方にも。そしてこの地域で暮らす方たち、そういった工場やその周辺で生活している方に楽しんでもらいたいと思っています。それから、県内外のアートファン、関西や東京からも来てほしいですね。もちろん、自分のファンにも(笑)。

作品を見る人の「琴線」に触れることができればいいですね。そして、普段お尻をふいているトイレットペーパーを作っている会社だとか、自分の生活に関わるものを作る工場の多い街、そうした特徴を含めて3市の街を知ってほしいです。

Q)表現したいテーマは、3つの工場では異なるのでしょうか。連続してみると何かありますか。

A)脚本家さんと鋭意構想中です。それぞれが独立した内容、ストーリーであることは間違いないですが、楽しみに待っていただきたいので今は言えません。一つ言えることは3日間通しで見ると、やっと「わかる」ことを織り込みます。つながったストーリーというわけではなく、緩やかな何かです。サプライズですので、本当に楽しみに待っていてもらいたいです。


▲新居浜市編イメージ(©髙橋匡太)

Q)現在、どの段階まで進んでいるのでしょうか。公式マガジン発行の3月下旬頃には、どのくらいまで進むのでしょうか。

A)2月中旬に、キャスティングが決まって、役者さんと会います。その後2月いっぱい、ブレストと稽古をします。3月も稽古を続けながら、音楽も詰めていきます。このマガジンが発行する時期には、撮影を含め最終段階を予定しています。

Q)読者の方、作品を観に来られる方へメッセージをお願いします。

A)「えひめさんさん物語」の最初のイベントであり、楽しんでもらえることが一番です。「面白そうなこと、ワクワクすることが始まったね」と体感してもらいたいですね。物語は秋まで続くので、その勢いをつけたいです。

髙橋さんの思いや気合いが、よくわかります。
5月3日は西条市、4日は新居浜市、そして5日は四国中央市の本番が楽しみです!

※電話インタビューは2月

ものづくり物語「工場のおしばい」
●各会場共通●
開場 19:00 / 上映① 19:30~ / 上映② 20:30~
<日時・会場>
5/3 (金・祝)
【西条市】今治造船株式会社 西条工場
※雨天時予備日 5/4(土・祝)

5/4 (土・祝)
【新居浜市】住友共同電力株式会社 新居浜西火力発電所
※雨天時予備日 5/5(日・祝)

5/5 (日・祝)
【四国中央市】大王製紙株式会社 三島工場
※雨天時予備日 5/6(月・祝)