イベントレポート

見比べて、楽しむ。さんさん都 今昔ものがたり。

柳川あこ

2019.10.23

Writing: 柳川あこ


さんさん都 今昔ものがたり」とは、昭和30年代〜50年代ごろの四国中央市、新居浜市、西条市の写真で時代の移ろいをたどる企画展示のこと。

山や水といった自然をはじめ、ものづくりなどの産業など、えひめさんさん物語のコンセプトに合わせて選ばれた写真が展示され、3市それぞれの魅力や愛媛県東予に住む人々の暮らしを伝えます。西条市立西条図書館、あかがねミュージアムでの開催を終え、次回は10月26日〜11月10日、ゆらぎの森です。

本記事では同イベントの見どころと、先日開催されたあかがねミュージアムの様子を紹介します。

昔を知って、今を知る


本展示の一番の見どころは今と昔、2枚の写真を見比べられること。

昔を知る人は当時を思い出し、知らない人はかつての愛媛県東予の風景を驚きとともに知り、そこに住む人たちの生活を自然と思い浮かべるはず。

過去と今、2枚の写真の中に、3市の発展や暮らしの変化、変わらずに残り続けているものなど、たくさんの気づきが眠っています。

貴重な過去の3市の写真を撮影したのは、新居浜市内で会社に勤めながら東予地方の撮影を続けたアマチュアカメラマンの故・日和佐初太郎さん。

今回、日和佐さんのご息女である松山明子さんにお話をお伺いしました。

当時と同じ場所・角度で、「今」を撮る

本企画で押さえていただきたいポイント、それは今の東予として展示されている写真は松山さんが自ら現地へ赴き、当時とほとんど同じ確度で撮影されていること。

1枚の写真から撮影場所やカメラの方角まで、地図や写真に残された建物や風景をヒントに撮影場所を探す作業を1枚ずつ行っています。

「皆の知識や助けが集まったから、実現できた」と松山さんは笑顔で語ります。

かつて父が撮影した風景を、娘の明子さんが時を経て撮影——
2つの写真の比べてみることで、時の流れを感じました。

あの道は、かつて海だった


先日開催されたあかがねミュージアムで展示された1枚を特別に紹介します。

新居浜市と西条市を結ぶ13号線、新居浜市役所から西条の産業道路へ続く道の今昔を展示した2枚の写真。

現在では交通量の多い片側二車線の道路になっていますが、昔は海に沿って走る道でした。
車なんて当時は珍しく、自転車で西条まで移動する人々の姿から、当時の生活スタイルが自然と想像できるのではないでしょうか。

1枚の写真からはずむ会話。撮影者の日和佐初太郎さんについて

写真家で愛媛県東予地方の自然やそこに住む人々の暮らしや家族の成長をフィルムに収めていた日和佐さん。

新居浜市別子山(べっしやま)にある東平(とうなる)歴史資料館内に掲示されている写真の中にも、日和佐さんが撮影されたものがあります。

1990年には写真集『別子あのころ山浜島』を出版されました。
今回の展示では写真集には載っていない写真を中心にピックアップしています。

▲日和佐初太郎さんの愛用品や写真集の横でほほ笑む娘の松山明子さん

日和佐さんはどんな方でしたか?と尋ねると、「真面目な人。まっすぐで、実直な人でした」と松山さん。

当時、車もほとんど走っていないときに「この地域に住んでいるから写真を撮れる、このまま続けなさい」とプロの写真家から助言を受けたそう。
その言葉を忠実に守り、コツコツと東予の風景や人々の暮らしの撮影を続けた日和佐さん。
膨大なフィルムが現在も大切に保管されています。

取材中、日和佐さんを知る人が、松山さんに続々と声をかけられている光景が印象的でした。

かつて日和佐さんと一緒に写真撮影をされていた方や、当時日和佐さんと同僚であり松山さんも小さいころに遊んでもらった記憶がある方と再会を果たしている姿に胸を打つものがありました。

「いろいろな人に助けられて開催できた。やってよかった」と何度も語る松山さんの表情は、明るい笑顔に満ちていました。

「さんさん都 今昔ものがたり」はあかがねミュージアムにおける展示は盛況に終わり、次回は新居浜市別子山にあるゆらぎの森で10月26日から11月10日まで開催します。

【今回の取材先】
チャレンジプログラム「さんさん都 今昔ものがたり
日時・場所:
◎西条市立西条図書館 8月20日(火)~8月29日(木)済
◎あかがねミュージアム 8月31日(土)~2019年9月23日(月・祝)済
◎ゆらぎの森 10月26日(土)~11月10日(日)
参加料:無し
参加予約:不要
お問い合わせ:まち研AKAGANE 0897-65-1237(越智)