イベントレポート

霧と緑の村・新宮で、茶葉に触れて飲んで、五感でお茶体験。

串部公基

2019.06.21

Writing: 串部公基


えひめさんさん物語の中で、「毎日飲むからこだわりたい 新宮茶づくり体験してみん?」と「「お茶万博 ~蔵出しお茶祭り~ 」のチャレンジプログラムが開催されます。


今回、プログラムの主催者である脇純樹さん(脇製茶場)に詳しい内容を聞きました。
お茶の基礎知識からプログラム内容まで、盛りだくさんです。

 

新宮とお茶の関係、そしておいしさの秘密とは

お茶に詳しい脇さんを質問攻めです。

Q)新宮とお茶の歴史を教えてください。
A)お茶栽培の歴史自体は60年ほどです。それ以前は葉タバコを作っていました。葉タバコを作っていた場所はいいお茶が取れると昔から知られていたこともあり、換金作物として茶葉に転作しました。

ここ新宮の土地は大量生産には向いていません。が、標高は高く、霧深いことがお茶作りに適しています。地質についても、静岡の天竜や山手という香りのいいお茶の産地と同じです。愛媛の青石は有名だと思いますが、緑泥片岩(青石)が取れるところはお茶の産地に適しています。

Q)新宮は土地が狭いことがネックですか。
A)まさに猫の額。例えば、鹿児島県の農家さんだと、1軒で新宮地域全体分を作っています。だから、産地というか農家としては奇跡的に生き残っていて、希少性はあります。量が作れない分、少量・一貫生産体制に価値をつけようと考えています。

Q)おいしいお茶が取れるのはいつごろですか。
A)値段の話をしてしまうと、お茶は収穫時期で値段が決まります。柔らかすぎてもだめですが、5月頃が甘みも内容成分も充実している「新茶」で高いです。その時期を過ぎると、虫に食べられないように葉っぱが硬くなり、お湯に溶け出す成分が減ります。

逆に安くて硬い茶葉は、カフェインなどの刺激成分もあまりなく、ゴクゴク飲めるので食事時にはいいんです。ほうじ茶や番茶は値段も安いですが、熱湯でサッと出せてゴクゴク飲めます。ただ、さっき言ったように、高い値段がつくのは早い時期に摘んだもので、脇茶園なら5月の上旬が適期です。

Q)5月に摘むのが一番おいしい、ということでしょうか。
A)やはり一番茶が一番おいしいです。秋ごろから寒くなるとお茶の成長が止まって、そこから春までの半年をかけて、栄養を蓄えます。その栄養が一気に噴き出すのが、一番茶と言われる4~5月です。

Q)摘んだお茶は手もみするのがベストですか。
A)手もみも、善し悪しです。手作業は時間がかかるので、葉が蒸れてしまいます。茶葉によっては機械でサッと作る方が、おいしいお茶になるものもあります。

新茶、つまり一番茶の何がいいかと言うと「香り」です。複雑な話ですが、新茶は摘みたての香りがそのまま味わえます。だから、香りでいうと新茶が一番です。

 

お茶摘み体験と手もみ茶体験。自分で摘んだお茶は、お土産に


Q)今回のチャレンジプログラムを作るきっかけは。
A)これまでも新茶祭りでお茶摘み体験はしていました。また、5月の新茶の時期にお茶摘みをしたいと問い合わせも受けていました。でも、その時期は繁忙期で一連の体験をする余裕がなかなかありませんでした。
さんさん物語は、いいきっかけを与えてくれました。繁忙期の5月から少し時期をずらして8月にプログラムを企画。暑いのでお茶摘み体験はちょっとだけで、他にも収穫したお茶で手もみ茶づくりを体験してもらいます。

Q)当日の予定ついて教えてください。
A)集合時間はだいたい10時を予定していますが、各回で多少前後するかもしれません。解散は12時30分ごろを目安にしています。
最初に、脇製茶園の茶畑で10~20分くらいお茶を摘んでもらいます。そのあと、隣接した製茶工場を通りながら、30~40分ほど製茶の工程を見てもらいます。それから霧の森工房さんにバスで移動。併設されている手もみ茶道場で、手もみ茶作りをします。最後にお茶会をして解散するという流れです。駐車場は用意してあります。
全日程10名ずつで、電話かメールで予約していただいて先着順、ということにしています。


Q)準備物はありますか。
A)絶対持ってきてください、というものはありません。ジャージと長靴はあると便利です。茶畑での茶摘みは、畑の端の茶葉を摘むことを想定しています。ジャージや長靴を持ってきていただければ茶畑の中に入ることもできますので、たくさん摘んでいただけます。

Q)お茶摘みは初めてという人も楽しめますか。
A)製品を作ろうと思って摘む場合には難しいですが、今回はあくまで体験です。楽しんで摘んでいただければと思っています。そもそも、摘んですぐは製茶にできないので、今回摘んだ茶葉は持ち帰っていただくつもりです。家で天ぷらなどにして食べてください。当日は、気兼ねなくプチプチ摘んでもらって大丈夫です。
8月のお茶は二番茶や三番茶として製茶するものです。それ自体は製茶したときにうまみが少ないというか、価格的にも高いものではありません。ただ、渋みはしっかりあって味も濃いので、天ぷらなどのお料理には適しています。

Q)手もみ茶体験の内容は。
A)摘んだ新茶を蒸して冷凍保存したものを手もみ茶体験に使っています。その後に飲んでいただくお茶は、さらにこちらで作っておいたものを飲んでいただいて、お土産としても持って帰ってもらいます。手もみしてからも、すぐには飲むことができないということと、真夏の暑い時期に2時間あまりのスケジュールで行いますので、そこはこちらで用意します。

 

瀬戸内海のこだわりの生産者が集う、お茶万博


Q)ちょっと先になりますが、10月の「お茶万博~蔵出しお茶祭り~」の内容を教えてください。
A)もともと秋の紅茶祭りとして企画を考えていましたが、今回はもっと範囲を広げて、お茶万博ということで「いいお茶」を集めようと思っています。細かな内容は決まっていませんが、メインは手もみ茶体験で、他に、新宮の自然を感じながらのお茶会も行います。新宮では、緑茶も紅茶もウーロン茶も全部作っていますし、石鎚黒茶の生産者さんとも交流があるので、この時期の味がのったいろんなお茶を万博イベントに来てもらって飲んだり、体験してもらったりします。

Q)究極のお茶を飲んでみたいです。
A)イベント用にそういうものを作ってもいいですよね。例えば、ペットボトルのお茶と、一番茶の最もグレードの高いお茶とを飲み比べても面白いですし、手もみ茶と機械製茶を比べるのもいいです。

松山には台湾との直行便がありますが、一度台湾に行ったことがあるんです。台湾もお茶の文化があり、北の山間地では(繁忙期は農家さんもお茶作りで大変なんですが)、閑散期には庭先にテラスを作って観光客の方たちにお茶を振る舞っていたんです。そういう感じを再現したいんです。今回のプログラムをきっかけに、一人でも多くの方に新宮に来ていただきたいです。

【今回の取材先】
チャレンジプログラム「毎日飲むからこだわりたい 新宮茶づくり体験してみん?
参加費:大人1,000円・子ども500円(長靴・ジャージを持参すると便利です)
日程:8月3日(土)・10日(土)・24日(土)・31日(土) 各日10名までの先着順
場所:集合・茶摘体験は脇製茶場(手もみ茶体験・お茶会はバスにて霧の森工房に移動)
お問い合わせ先:(有)脇製茶場 TEL 0896-72-2525 メール info@waki-tea.co.jp

チャレンジプログラム「お茶万博 ~蔵出しお茶祭り~
日程:10月27日(日)
場所:馬立倉庫
お問い合わせ先:(有)脇製茶場 TEL 0896-72-2525 メール info@waki-tea.co.jp