イベントレポート

やぶって、貼って、触れてみて。 「紙」から生まれる、新しいコミュニケーション。

高田ともみ

2019.04.19

Writing: 高田ともみ

お札と切手以外ならどんな紙でも製造可能。“紙の百貨店”とも称される日本有数の紙の町・四国中央市で、すてきなイベントが開催間近です!

その名も、「しこく紙かいぎ」の「しこく紙市場」。

紙好きはもちろん、そうでなくても気になる企画がめじろ押し…!このイベントを主催する「しこく紙かいぎ」代表、真鍋久美さんに突撃取材してきました!

暮らしのなかで、
紙にもっと触れられる場を

Qまずは、このイベントを企画するきっかけを教えてください。

もともと、紙に関することを何かしたいなって、ずっと思っていたんですよ。個人的に紙がものすごく好きで、自分で買ったり、使ったりするのをユーザーとして楽しんでいたのもあって。

今は「まなべ商店」(※四国のおいしいものを厳選した食のセレクトショップ/四国中央市)で、店主として食のことを発信していますが、お店でもラッピングしたり、ちょっと書いたりするのに、紙を使いますよね。そういうとき、できればちょっと特別な質感のものやおもしろい風合いのあるものを使いたい。でも、よくある普通の紙以外の紙に触れる機会って、実はほとんどないんです。

わたしは高知出身で、13年前に嫁いできたとき、ここが紙の街だということが楽しみのひとつだったんです。でも、実際暮らしてみると、普段触れる紙といえば、ごく一般的な普通の紙ばかり。いろんな紙に触れられる場って、ほとんどないんですね。もっと日常の中にそういう場があったらいいな、そういう場を作りたいな、っていう思いはずっと頭の片隅にあったんです。

▲まなべ商店の内観、外観。四国中央の小さな町に生まれた、全国からお客さんが訪れる人気店

Qなるほど、紙好きが高じて、というのが大きいんですね。

そうですね。もうひとつ、この企画を後押ししてくれたのは、地域の子どもたちです。

きっかけは、昨年、四国中央市で開催された「しこちゅ〜ワークショップ」(※地域で活躍する大人が講師となり、子どもたちに体験的な学びの場を提供する市民講座)で、講師として、自分の店づくりについてお話しさせてもらったことです。

そのとき、子どもたちに「この地域に足りないもの、ほしいなと思うものは?」って聞いてみたんですね。そしたら、「文房具屋さん」、「集まってお話しできる場所」っていう意見がたくさん返ってきた。

これには結構驚きました。ずっと個人的に考えていたことを、子どもたちもどうにかしたいと思っていたわけです。じゃあ、どうすればいいか。

よく、「この地域にはなんにもない」って言われますが、わたしは、なければ自分で作ればいいと思っているんですね。「なんにもないよね」で終わるのはつまらないし、そんな大人でいたくない。今回一番の原動力になっているのは、「紙」と「日常」を組み合わせたら、子どもたちの未来のために何か貢献できるかもしれない、という思いですね。

この地域にしかない、
「紙」のコミュニティーを育てる!

Qということは、イベントのその先に目指しているのは?


四国中央市は、紙のことなら製造から流通までほとんどのことができる、日本有数の紙の町です。でも、ただ「紙の町」というだけでは、わたしたち紙の製造に携わっていない一般の人たちには伝わりにくい。もっと暮らしの中でこの町で作られている紙を認識し、見て、触れて、使って、そこから何か表現できる場があったら、新しいコミュニティーが生まれるかもしれない。

「しこく紙かいぎ」は、紙製品をPRするというより、紙を使った場づくりを目指すところなんです。売ることは二の次。まずはこのイベントをきっかけに、持続可能なコミュニティーが育ったら面白いと思っています。紙を通じてアイディアがうまれたり、つながったり、県外の人にも観光資材としてピールしていける、お店のようなスペース、場を作っていくことが目標です。

▲メンバーのひとり、アーティストのARTISTmiuさん(四国中央市在住)が手がけた、製作段階の「しこく紙かいぎ」看板

Q賛同メンバーにはどんな人たちが?

このアイデアをあちこちで話したら、地域のお母さんや、地元の高校の美術教師、デザイナーさんも複数名、みんな面白がって参加を表明してくれました。仕事柄、紙に関わっている人や、紙好きな人が多いですね。みんなそれぞれに感性やセンスを持っているので、打ち合わせはアイデアがぽんぽん出てきます。それいいね!やろ!って。止める人がいないので(笑)、毎回、爆笑しながら打ち合わせしています。

ちなみに、フライヤーのイラストは、その美術の先生が書いてくれたもの。会場となる新宮少年自然の家で暮らしているヤギさんがモチーフです。会場の下見にいったときにヤギの親子がいて、紙とつながって(笑)。こうやって、みんなからどんどんアイデアが出てくるので、ほんとうに面白いですね。

新緑につつまれた新宮で
紙と食を楽しむ!

Qでは、今回のイベントの見どころを教えてください。

4/20・21の「しこく紙かいぎ」は、その翌週のイベントに向けた、会場づくりのワークショップです。新宮少年自然の家をお借りして、いろんな紙を使って、破ったり、貼ったり、つったり。 “紙のプール”で使う紙を、ひたすら破るワークもあります(笑)。ものづくりが好きな人や、子どもたちも大歓迎です。

27・28は、「しこく紙市場―紙とおいしいもの」と題して、地域企業を始めとする紙製品の販売や展示などを行います。他にも、手すき和紙のワークショップや、音楽、読み聞かせなど。「まなべ商店」がセレクトした、四国のよりすぐりのおいしいものも集めたので、食べて、紙と遊んで、ゆっくり楽しんでもらえたらと思っています。

Q読者のみなさんにお願いしたいことがあれば、ぜひ。

期間中、みなさんの紙にまつわる思い出を募集しています。絵を描きまくった広告の裏、どうしても捨てられない雑誌などなど、紙にまつわる思い出や記憶について、ぜひ教えてください!

個人SNSのアカウントに、#記憶の中の紙 をつけて投稿でOK。集まったみなさんの「記憶の中の紙」は、当日の会場でも掲示します。いったいどんな会場になるか、わたしもすごく楽しみです。

新緑と紙につつまれた新宮で、おいしいものと一緒に、お待ちしています!

【今回の取材先】

チャレンジプログラム「しこく紙市場

【しこく紙かいぎ】※要予約
紙を使って、みんなで会場づくり!ランチ交流会もあります。

日時:4月20日(土)・21日(日)10:00〜17:00
参加料:ランチ付き1日 ※途中退席もOK
大人1500円(中学生以上)、小人500円(4歳以上〜)、幼児無料 ※お昼ごはんは四国中央市の「くう食堂」さんが作ってくださいます。
予約:まなべ商店(眞鍋)090-3786-6648 までお電話ください。当日朝でもOKです。

【しこく紙市場−紙とおいしいもの】
しこく紙かいぎがセレクトした紙ものや、四国のおいしいものを展示・販売する二日間。ワークショップあり、音楽あり、読み聞かせありのもりだくさんでお届けします。

日程:4月27日(土)10:00〜17:00、28日(日)10:00〜16:00
参加料:入場無料(飲食、ワークショップは有料)

しこく紙市場-紙とおいしいもの
https://www.facebook.com/events/374813916709984/?event_time_id=374813920043317

しこく紙かいぎ
http://www.kamikaigi.com/

場所:新宮少年自然の家