11月の連休を利用して、久しぶりに奈良の実家に帰省しました。
とはいえ何もすることがなく家でゴロゴロしてるのももったいないので、ブログネタも兼ねて興福寺に行ってみることにしました。
世界的に有名な寺院ということで前から興味を持っていましたし、実家からも近いのに今まで一度も行ったことがなかったんですよね。
そんな感じで今回行くにあたって書籍で少しだけ勉強したので、簡単な知識と共に興福寺の訪問記を紹介していきます。
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奈良駅から興福寺までのアクセスについて

まず興福寺への行き方ですが、私同様初めて行く人でも問題なくたどり着ける場所にあります。
というのも、近鉄奈良駅から徒歩5分程度で着いてしまうんですね。
しかも道中には案内標識や看板もあるので、ほぼ迷うことなく行くことができると思います。
JR奈良駅から行く場合は少し距離がありますが、奈良交通バスの市内循環外回りに乗って「県庁前」で降りれば目と鼻の先です。
また車でアクセスする場合は、興福寺国宝館の横が専用駐車場になっているので、ここに停めるのが一番便利でしょう。(料金は1回1,000円)
今回、私は電車で行き、せっかくなので少し回り道をして猿沢池経由で向かうことにしました。
これが「南都八景」に数えられる猿沢池です。

池の周囲が柳で囲まれいてすごく和の雰囲気を感じれるスポットですし、池のほとりにはベンチもあるので、のんびり休憩することもできます
そしてその猿沢池と興福寺を結ぶのが、「五十二段」といわれる石造りの階段。

なんでもこの52という数字は、仏門に入る修行の段階を表現しているとのことです。
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興福寺に到着!見どころなど参拝した順に紹介
五十二段を登ると興福寺に到着で、左手には南大門跡、右手奥には五重塔が見えます。
それでは1つ1つ順番に、参拝していきたいと思います。
奈良県で一番高い建物の「五重塔」

まずは興福寺の五重塔がこちらになります。
奈良にある建造物の中では東大寺の大仏さんと双璧をなし、奈良のシンボルともいえる存在ですね。
調べてみるとこの五重塔は光明皇后によって730年に建造され、再建を繰り返して現在は6代目に当たるとのこと。
また高さは約50mあり、これは京都・東寺の五重塔に次ぐ日本で二番目に高い五重塔のようです。
さらにこれは地元民ならみんな知っていることですが、この興福寺の五重塔は奈良県内で一番高い建物なんですね。
というのも奈良県では景観を守るために、この五重塔よりも高い建物を建てることは禁止となっており、これはしっかりと条例で決められているのです。
色鮮やかで気品漂う「南円堂」

次は、日本最大の木造八角円堂として重要文化財に指定されている南円堂です。
八角形の美しい形と鮮やかな朱色がとても華やかな印象で、瓦造りの屋根に綺麗な曲線を描いていますね。
こちらの南円堂には国宝の仏像が安置されており、10月17日に1年に1回だけ特別公開されるようです。
あとすぐそばには、奈良の名所として名高い南都八景の1つ「南円堂の藤」もありますが、シーズンオフということでこのような寂しい感じです。

ちなみに南円堂の藤の奥にあるのは「一言観音堂」というお堂で、なんでも一言の願いを聞き届けてて叶えてくれるということで、こちらも人気スポットのようですね。
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意外と穴場?!コンパクトでかわいい「三重塔」

南円堂の近くにあるわき道を入っていくと見えるのが、興福寺の三重塔です。
高さは約20mとのことで五重塔と比べるとコンパクトになっていて、その可愛いらしい雰囲気がグッドです!
五重塔があまりにも有名なことと、外れた場所にひっそりと佇んでいるので、見逃してしまう方もいるかもしれませんね。
ですがこの三重塔も立派な国宝であり、観光者の間でも非常に評価が高いんですよ。
またこの三重塔内部にはご本尊もあるようで、1年に1回だけ7月7日に特別開扉されるようです。
日本で最も美しい八角円堂の「北円堂」

三重塔の横道を少し上がったところにあるのが、こちらの北円堂。
この興福寺の北円堂は国宝にも指定されており、「日本で一番美しい八角円堂」ともいわれているようですね。
柵で囲われてしまっているのが少し残念ですが、南円堂と比較して大きさ高さともに小さく、屋根の傾斜なども緩やかで非常に穏やかな印象を受けます。
南円堂のようなキラキラした華やかさはありませんが、この渋い佇まいがなんとも素晴らしいです!
今回実際に参拝してみて、この北円堂が興福寺の建造物の中で個人的には一番好きですね。
こちらの北円堂にも国宝となる四天王像が安置されているようで、4月下旬~5月上旬・10月下旬~11月上旬の年2回、一般公開されているとのことです。
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絶好の撮影スポットな「南大門跡」

興福寺の正面玄関として、かつて存在していた南大門跡がこちら。
江戸時代に失われてしまったようですが、資料によれば東西約30m・南北約16mもの大きさを誇っていたとのこと。
またこの南大門跡は高台になっており、真正面には中金堂が悠然と構えていますので、絶好の写真撮影スポットです。
300年ぶりに再建された「中金堂」

上でも述べましたが、興福寺の中核となる建造物がこちらの中金堂です。
710年に藤原不比等により創建されて以来、6回もの再建を繰り返し2018年に新たに公開されました。
なんでも中金堂の再建は300年ぶりだそうで、再建するにあたってアフリカやカナダの大木を利用し、屋根に使用されている瓦も世界各国から寄進されたもののようです。
この中金堂に入るには拝観料が必要で、大人500円・中高生300円・小学生200円になります。
中金堂の内部は写真撮影ができないので画像はありませんが、中金堂本堂の中は天井が高く広々としたスペースになっており、そこにはご本尊のお釈迦様を中心に9体の仏像が安置されていました。
メインとして中央に座しているお釈迦様は、再建に合わせて修理されたようで、新しい金箔に覆われてピカピカに光り輝いています。
個人的な感想としては、怒りの形相をしている国宝の木造四天王像は本当に今にも動きそうなぐらいの迫力があり、その中でも「多聞天」が気に入りましたね。
まるで大きな古民家!渋い佇まいな「東金堂」

中金堂の東・五重塔に並び立つ位置にあるのが、興福寺の東金堂です。
この東金堂は古い古民家のような外観をしており、実際に屋根は伝統的な住宅によくみられる「寄棟造」という形式で作られていると資料にありました。
中金堂のような煌びやかな感じも良いですが、古い歴史を感じることのできる渋くて趣きのあるお堂がなんとも素敵ですよね!
この東金堂にも国宝仏が安置されており、内部を拝観するにはチケットの購入が必要です。
国宝館の入場券とセットになっている共通券が販売されたいたので、私はそちらを購入しました。
(共通券が大人900円・中高生700円・小学生350円、東金堂のみの料金は大人300円・中高生200円・小学生100円)
東金堂の中は薄暗くて、外観よりもかなり狭い空間になっていましたね。
チケットの際に手渡された冊子によると、
・銅造薬師如来坐像
・銅造日光・月光菩薩立像
・木造維摩居士坐像・文殊菩薩坐像
・十二神将立像
・四天王立像
などの21体の国宝仏が、ギュッと詰まった感じで安置されています。
その中でも穏やかな表情と凛とした佇まいが美しい、日光・月光菩薩像なんかは私のお気に入りですね。
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阿修羅像はもちろんお宝だらけの「興福寺国宝館」

最後に訪れたのが、2018年にリニューアルオープンされた興福寺国宝館です。
ここでの見どころはとてもたくさんあるのですが、中でもやはり必見なのが「阿修羅像」ですね。
この阿修羅像は3つの顔を持つ少年の象なのですが、その顔の表情がそれぞれ異なるところがとても興味深いです。
軽く調べてみたところ、右側が怒りや反抗心が見える少年期の顔、左側が思い悩んでいる思春期の顔、正面が迷いを捨てて決意した青年の顔を表現しているとのことです。
どの顔も美少年のような顔立ちをしており、またしなやかでほっそりとした6つの腕と体が神秘的かつ繊細でとても美しいです。
私は初見だったので、某漫画キャラのような筋肉隆々の姿を想像していましたが、それとは完全に真逆。
ですが外見的な美しさと、内面から出ている神秘的なオーラは国宝館でも異彩を放っており、かなり長い時間見入ってしまいましたね。
他にも、この国宝館には歴史の教科書で見たことのある仏像が数多く安置されており、右も左も国宝だらけ!
阿修羅像以外で私が気に入ったのは、
小さくてひょうきんな感じがとても可愛い「天燈鬼・竜燈鬼」、八部衆の1つで人の体と鳥の顔を持つ「迦楼羅像」、木造なのに5mを超える大きさで均等感のある美しさが際立っている「千手観音立像」などですね。
一通り見終わった後は、出口付近に併設されている売店もチェック。
ここでは、興福寺にまつわる様々なおみやげが売られていました。
せっかくなので私も何か買おうと物色し、はちみつ入りの生姜飴でパッケージが可愛い「こうふくあめ」と、阿修羅像のポストカードを購入。

国宝館を出たところで、今回の興福寺の参拝は終了です。
見どころはたくさんありましたが、見学所要時間は1時間弱といったところでしょうか。
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初めて興福寺を参拝した感想まとめ
最後に、今回初めて興福寺に行ってみた感想のまとめを書いていきます。
率直にいって、今まで一度も行ったことがなかったことを少し後悔するぐらい素晴らしかったですね!
右も左も国宝だらけで見どころ満載ですし、それらを1時間ちょっとで全部回れる程度の広さというのも素晴らしいポイントです。
興福寺の建造物としては、煌びやかな中金堂や南円堂もいいですが、こじんまりとしていて渋い雰囲気の北円堂と三重塔の方が私は気に入りました。
また中金堂・東金堂・国宝館とその都度ごとに拝観料が必要ですが、料金を支払ってそれら全てを見て回ったことも大正解!
特に国宝館にある阿修羅像の神々しい姿と発しているオーラは圧巻で、とにかく時間を忘れて食い入るようにずっと眺めていましたね。
奈良駅からも非常に近いので、実家に帰った時は定期的に訪れたいお気に入りスポットになりました。
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